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日本は破綻するのか?

藤巻健史さんの「日本破綻」の読書メモ。これまでの藤巻さんの投資アドバイスといった意味合いとは少し異なり、藤巻さんの日本に対するメッセージが色濃く出ている本だった。

日本破綻 「株・債券・円」のトリプル安が襲う

日本破綻 「株・債券・円」のトリプル安が襲う

株・債券・円のトリプル安の予想

著者は日本の現状を分析した結果、「市場の反乱」が起こると予想している。ロジックはこうだ。国債の未達や債券先物の売りなどによって債券バブルがはじける→長期金利の上昇(国債の暴落)が起こる→株安・円安が起こる。このロジックは著者がテレビや雑誌、ホームページでも情報を発信しており、本書はそれをまとめた仕上がりになっていて、何度も読み返すことができる。

どのくらい日本はお金がないのか

本書が出版された後に平成22年度予算が成立しているので、今回は成立した予算の数字を使って現状を見てみる。
平成22年度予算政府案:財務省
税収が37.4兆円であるのに対して、歳出が92.3兆円という、驚きの予算編成である。その他収入の10.6兆円を除き、公債金、つまり借金が43.3兆円である。しかも税収よりも借金が多い(昭和21年度以来)。また平成22年度末には862兆円の累積赤字となる。これを一般家庭でたとえると、借金が8620万円がある状態で、年収374万円と何らかの補助金を106万円もらい、さらに433万円の借金をして生活していることになる。普通の家庭ではもう破綻していると考えていいくらいである。また、この状況に対する「日本財政楽観論」を次々の否定し、日本の現実に直視するように提言している。

分配から拡大

著者は現在の民主党の政策について、分配論に傾きすぎているとコメントしている。そしてこの分配論について

今の「分配」は大量の国債発行のもとになされていますから、「孫・子」の富を「今の世代の貧困者」に「分配」していることになります。「我々の世代」と「将来の世代」の「格差拡大政策」です。

と、世代間で考えると格差拡大であると訴えている。今の格差は世代間格差と言われているが、まさにそう感じる。自分がまだ20代で若い世代に入っているからかもしれないが、後の世代がツケを支払っているという思いが強い。

円安政策と市場主義の徹底

著者はこの状況から軟着陸するために、著者は円安政策によって延命措置を行い、その間に市場主義を徹底して経済を拡大させるべきと主張する。この部分の具体的な政策は是非本書を読んでみて欲しい。

メッセージ

本書の特徴は、著者のメッセージが多いことにある。「はじめに」のある部分がかなり印象に残ったので引用する。

「成長は不要」とか「資本主義は行き詰まった」と言って自己満足に浸っているのは、「既に持っている人だけ」だと思います。職にあふれた若い人、これから世の中に出ていく子供たち、ましてやこれから生まれてくる孫たちは、そんなことは言っていられません。国の借金を増やすだけ増やしておいて、あとは「子供たちよ、孫たちよ、よろしく」では、あまりにも無責任です。

こういった、今の日本に対して現状維持で満足しようとしている人たちにとっては耳の痛いメッセージが本書に多い。是非こういったメッセージを本書だけでなく、テレビやラジオなど、影響力の強いメディアにもどんどん発信していってほしいと思う。


 fujitaka