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「希望を捨てる勇気」

日頃ブログを読んでいる池田信夫さんの書籍の読書メモ。内容は多岐にわたっており、数字も含めて記載されているので納得性が高い本だと思う。何度も繰り返して読む必要がある。今回うまくまとめることができなかったが、気持ちが冷めないうちに2点だけメモする。ちなみに本書のタイトルは著者のブログ記事のタイトルにもなっている。*1

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

正社員と非正社員について

日本では正社員をリストラ(整理解雇)する際には整理解雇の4要件を満たしていなければならないという判例が出ている。

  1. 人員整理の必要性
  2. 解雇回避努力義務の履行
  3. 被解雇者選定の合理性
  4. 手続きの妥当性

著者が問題として指摘しているのは2である。

整理解雇の4要件のうち、「解雇回避努力」の中には、非正規雇用の削減や新卒採用の停止が含まれており、今回のような不況期には雇い止めという形で、まず「非正規切り」を実行することが司法サイドからも要請されているわけである

これにより、正社員になる新卒を採用せず、いつでも解雇できる非正社員を調整弁として扱って雇用調整をおこなっているということだそうだ。つい先日、所属していた大学の研究室で学生の就職活動の厳しい状況を聞くと、こんな正社員の既得権を守るための状況はひどいと思った。自分も正社員であるが・・・。


また、ちょっとドキっとしてしまった部分を紹介する。ちょっと長いがそのまま引用させてもらう。

もし労働市場が完全に競争的で、参入・退出が自由だとすると、新入社員を教育しても、彼が転職すると、その知識(人的資本)は他社の資産になってしまう。そこで会社は新人には知識を与えず、最初は地方支社で5年ぐらいコピー取りや飛び込み営業などの雑巾がけをやらせる。こうした訓練によって新人の人的資本の価値は上がらないので、彼は転職するインセンティブを失う。
そして徒党修業のあと本社に栄転すると、「5年も辛抱したのだから、5年は本社で働いて元を取ろう」と考える。しかし彼が会社で覚える技能は、社内でしか役に立たない「文脈的技能」なので、そのうちつぶしがきかなくなり、仕方なく会社に一生ぶら下がる。

果たして会社はそれを狙ってやっているのかはわからないが、「それなんて俺」と思ってしまった。

日本企業の問題について

2カ所引用してコメントする。

こうした中心のない分散ネットワークは企業にもみられ、日本の大企業の取締役会は各事業部の利益代表の集まりで、社長はそのまとめ役だ。各事業部の関係も下請けとの取引も、非公式のネットワークによって自律的に行われ、中央で命令を下す指導者はいない。

日本の大企業と役所には、共通の長所と短所がある。決まったことを間違いなく実行する能力は非常に高いのに、その前提となる戦略の決定が非常に下手で、間違えると軌道修正がきかないということだ。

今の日本企業が戦略の決定が下手な理由は、まさにこの分散ネットワークが理由ではないかと考える。内部の調整を経て決定された戦略は、軌道修正するにも再度調整が発生してしまうため、容易に変更することができなくなってしまう。現代はビジネスのスピードが非常に速い時代であり、戦略も柔軟に修正する必要があるにもかかわらず、それができずにいるのではないか。


以上、非常に中途半端だけど、メモ終了。

*1:http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/6f12938eaad206d10b7629456f0a051e